1. ホーム
  2. 病院、医者、薬の話
  3. ≫市販薬、漢方、ジェネリック医薬品に関する疑問や豆知識

市販薬、漢方、ジェネリック医薬品に関する疑問や豆知識

私たちは普段から市販薬、漢方、ジェネリック医薬品などをなんの疑問もなく毎日のように飲んでいますが、それが人体へもたらす効果・影響・副作用といった点についてはほとんど知りません。

しかし、健康を常に考えるなら自分が口にするものについてはきちんと理解しておいたほうがいいに決まっていますよね。

そこで、ここでは市販薬、漢方、ジェネリック医薬品に関する意外と知られていない事実をご紹介します。ドキッとした人は注意してみて下さい。

薬の量は増えれば増えるほど副作用も増す

当たり前ですが、薬には必ず副作用があります。ということは、薬が多くなれば必然的に副作用も多くなるということを意味します。

しかし、私たちは一般的に薬をどれくらい飲めばどの程度の副作用が出るかについてはあまり知りません。日本では詳しい調査データが無いので、外国のデータを参考にしましょう

『医者が薬を疑うとき』という本には、薬の副作用に関する調査について、次のように書かれています。

「1966年から1989年までに英語で発表された論文の中から、病院で起こる副作用の頻度を調査した研究を総合すると、薬の副作用で入院した患者は全入院患者の中の(平均4.9%)を占めていた (中略) 最近の調査をみてみると、入院患者の8.1%が薬の副作用被害にあっており、うち重篤な副作用は6・7%、致命的な副作用は0.8%であった」

「同様な研究はオーストラリアでも発表されており、全入院患者の2.4~3.6%が何らかの形で薬に関連する理由で入院したものだった(中略) 特にお年寄りの場合はその頻度が高く、全入院患者の8~%%が薬に起因するものであった」

大ざっばに言えば、日本に比べてあまり薬を使わない外国でさえ、薬の副作用る人が15%~20%ほどもいるということです。副作用が出ても調査上認知されていない人もいるはずですから、実際の副作用の被害はさらに多いと思われます。

それを考えると薬を大量に消費する日本では、副作用で苦しんでいる人が欧米よりもはるかに多いと見て間違いないでしょう。

実際、医者自身も患者さんが薬を飲み始めてから活力が衰えたり、体調が悪くなったりするのをたくさん見ているはずです

もちろん、副作用がひどいときは薬の服用を中止し、他の薬に切り替えると思いますが、病気や症状を抑えるために薬に頼らなければならないとすれば、副作用から完全に逃れるのはほぼ不可能でしょう。

市販薬は信頼できる?

アメリカの場合、風邪を引いたときやアレルギーが出たときなどはドラッグストアの市販薬で対応するのが一般的だそうです。

ある意味、市販薬の有効性が社会的に広く認められている証拠です(市販薬で済ませる方が医者に行くよりも遥かに安上がりだからという理由もありますが)。

一方、日本だと市販薬を買うより病院に行って医者に薬を出してもらう方が遥かに安上がりです。

市販薬を買うより医者に診てもらう方が安上がりな日本

たとえば市販されている風邪薬で1箱10袋入りのものならだいたい2000円くらいです(1袋200円程度)。これに対して、医者が総合感冒薬を処方するとその10分の1や20分の1の値段で済んでしまいます。さらに3割負担の場合はその7割引きで買えるわけです。

医者に診てもらうと診察料がかかりますが、専門家が自分の症状に合った薬を処方してくれるわけですから、素人の私たち目線ではこれは大きなメリットです。

市販の風邪薬には自分の症状とは関係のない不要な成分もたくさん入っているので、その成分がもたらす副作用も考えなければなりません。さらに一般に市販薬は処方薬より有効成分が少なく、それゆえに効果も低いのが現実です。つまり応急処置的な使い方が適しています。

実際、医者に行く時間が取れないときなどは、市販薬に頼るということもあると思いますが、そういう場合はドラッグストアで薬剤師にきちんと相談しながらできるだけ自分の症状に合ったものを選ぶとよいでしょう。

漢方なら安全?

ごくまれに市販の薬も医者の処方する薬も飲まないと言う人がいます。そういう人は概して西洋医学の薬は信用しないものの、漢方薬ならOKというスタンスであることが多いように感じます。

ひと口に漢方薬といっても、ドラッグストアでも売っているような漢方の成分が一応入っているだけのものもあれば、漢方医が相談に来た人の証(体質や症状や体力など)を診て煎じる本格的なものまで多種多様です。

いずれにしても、漢方薬が体質的に合ったり自分には効果があると感じられる場合は、西洋医学の薬よりも漢方の方がいいのかもしれません

ただし、漢方薬は生薬(天然の成分)だから副作用がない と思っている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

漢方=安全・副作用がない、というわけでもない

それは猛毒のトリカブトだって漢方薬の1つだと言えばわかると思います。

こういう例もあるので、漢方薬=体に絶対的に良い成分しか入っていない、と思い込むのは危険なのです

詳しいことはやはり漢方医に相談するのがいいと思いますが、実は漢方医という存在は国が認めた正式な医者ではありません。国が認める漢方医という資格はないわけです。

医師免許のない漢方医が体に触れる診断をすると医師法違反になります。一方で、一般の医師が漢方を処方する場合、相手の証を考えることもはありませんし、基本的な漢方の知識もないまま、風邪なら葛根湯というように対処療法のような形で出す医師がほとんどです

そういう可能性があるので、漢方薬を飲むというのであれば、信頼のおける所で処方してもらうことを勧めます

市販の薬でも漢方薬でも副作用が特に気になるのは長期連用した場合です。なぜなら、どんなものであれ長く飲み続けると有害な成分が体に蓄積しやすくなるからです。

逆に、よっぽど酷い薬でもない限り長期服用しなければ副作用を過度に恐れる必要はないでしょう。

風邪を引いた・咳が出る・熱っぽい、といった症状を治すために一時的に市販薬や漢方薬を飲む程度であれば、そこまで副作用を心配する必要はないと思います。

ジェネリック医薬品について

今や知らない人はいないというほど普及したジェネリック医薬品。別名、後発医薬品という呼び方もありますね。これに対して、新薬は先発医薬品と言います。

ジェネリックとは簡単に言うと特許が切れた新薬と全く同じ成分を使った薬ということになります。

新薬と同じ有効成分が入っていて、しかも新薬よりも安いというわけで厚生労働省もその利用を勧めています。国としては安い薬を使ってもらうことで医療費の削減を見込んでいるわけですね。

アメリカでもジェネリック医薬品は浸透していて、「4ドル・ジェネリック」と言われるものが有名です

わずか4ドルで1カ月分の薬が買えるので、医療費の高いアメリカで大変重宝されています

日本では医者が処方築を書くときに、ジェネリック医薬品がある薬は原則として新薬ではなくジェネリックを使うことになっています。ジェネリックがイヤだという患者さんもいますが、そういう場合は処方等に「ジェネリック不可」と書き込むそうです。

中には「先生、ジェネリックに替えたら効かなくなりました」なんて言う患者さんもいるそうです。

しかしジェネリック医薬品は新薬と同じ成分なので新薬と同じ結果が出るはずですが……そうは簡単に問屋が卸さないのがジェネリック医薬品の難しいところです

ジェネリック医薬品と新薬の違い

実は厚生労働省はジェネリック医薬品に関する科学的な見解をまとめた「ジェネリック医薬品への疑問に答えます ジェネリック医薬品Q&A」というものを発表しています。

それを見るとジェネリックなのに新薬とは効果が微妙に違う理由が分かります。

そのQandAには下記のように書かれています。

「ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同一の有効成分を同量含有しており、効能・効果や用法・用量も基本的には変わりません」

新薬と同じ成分が同じ量だけ入っているから、効能や効果も論理的には同じはず、というわけです。

それだけなら安心なのですが、実はよく見ると注意書きがあってそこには次のようなことが書かれているのです

「先発医薬品の特許が一部有効である等の理由により、効能・効果や用法・用量が先発医薬品と異なるケースが、例外的に存在します」

これはどういうことかと言うと、新薬の特許が切れたらジェネリック医薬品を作ることができるのですが、医薬品の特許は主に4つあって、そのうちの1部の特許が切れていない場合があるということを意味します。

そのような場合は特許侵害にならないように製法などを少し変えてジェネリックを作るので、「効能・効果や用法・用量が先発医薬品と異なるケース」があるというわけです

もう1つは、有効成分は同じでも、それを混ぜ込む基剤と言われるものが違うので、吸収のしやすさが違うということもあります(場合によっては、ジェネリックのほうが効くこともあるのです)

結局、ジェネリック医薬品は1から10までその全てが完全に新薬のコピー新薬と同じ効果があるわけではない、ということです。

私自身の感覚から言うと、以前のジェネリック医薬品の中には新薬よりも吸収率が悪かったり、味が悪いといったこともあったように思います。

ジェネリック医薬品の僅かな違いに差が出ているのかも

もちろん今でもそういうことはあると思いますが、個人的な印象では、ジェネリックは製造工程や製法のわずかな違いのせいで品質に差が出ているのではないかと思います。

実際、ジェネリックを作っている会社の中には、町工場に毛が生えたような零細企業もあります。こういうところで作られたものが本当に安心なのか…?と不安になることもあります。

つまり、同じ成分のジェネリックでも製造会社によって多少違いがあるということです。

「新薬からジェネリックに替えたら効かなくなった」と言う患者さんが表れる理由はコレではないでしょうか。

もちろん患者さん自身のジェネリックに対する不信感が心理的な要因となっている例もありそうですが、100%完全に同じではない以上、やはり製造工程がしっかりとした1流メーカーのジェネリックのほうが信頼性が高いと思います。

調剤薬局のなかには製品の質に関係なく、仕入れコストの安いジェネリックを多く扱っているところがあるはずです

そういう薬局は1つの大きなジェネリックの会社から一括して仕入れるのではなく、「このジェネリックはこの会社からこちらのジェネリックはこの会社から~」というように、価格の安さで仕入れ先を選ぶのでメーカーがバラバラになることが多いわけです

質や安全性よりも、金儲けに走る調剤薬局もあるということです。そういう舞台裏は患者さんにはわからないかもしれませんが、ジェネリックに替えた途端に効かなくなったとか、何らかの副作用が出たというような場合は、すぐに医者に言って元の薬に戻してもらうことをおすすめします。もしくは他の新薬、あるいは信頼のおける他のジェネリックに替えてもらうことが大切です

薬は安ければいいというものではありませんたとえ医者の判断とはいえ、それが効果のない薬であれば飲んでいても意味はありません。

薬を飲んでみて自身の体に明らかに悪影響があるように感じたら体が発するそのSOSには素直に耳を傾けるべきでしょう。

遠慮せず医者にそのことを言って自分に合った薬を見つけたいものですね。

シェアをお願いします。