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日本は海外と比べて癌が多い!

現在、日本では2人に1人ががんに罹り3人に1人ががんで命を失っています。この数字はあなたも聞いたことがあるのではないかと思います。

ところが、アメリカをはじめとした海外ではガンによる死者はもちろん、ガン自体もどんどん減る傾向にあります。

この違いはどこからくるのでしょうか?ここでは日本と海外のガン患者数の差とその理由についてまとめました。

日本はガンが多い

厚生労働省の人口動態統計によれば、2008年の年間死亡者数、114万3467人のうち、がん(統計上は「悪性新生物」で示される)で亡くなった人の数は34万3849人です

2位の「心疾患」が18万1822人、3位の「脳血管疾患」が12万6944人なので、これをふたつ足しても、がんに及びません。

つまり、日本人の死因のうち、約3割を「がん死」が占めているわけです。

1981年、脳血管疾患を抜いて「癌」が日本人の死因のトップに立って以来、死因としての癌は現在にいたるまで独走し、がんで亡くなる人の数は増える一方です。

増え続ける日本のガン

2008年のがん死34万人という数は、 1980年当時の2倍以上で、 1960年頃と比べれば、じつに3倍以上にあたります。

しかもその数は、年間6000~7000人ずつ、増加しています。つまり日本では、三十年もの間、がんで死亡する人が増え続け、いまもその勢いはやむところがないのです。

がんが日本人に増えている原因について、「食生活や生活習慣が欧米化したせいだ」と言われます。

しかし、引き合いに出されているアメリカやイギリスなど欧米各国では、実はがんの死亡率(粗死亡率)がすでに減少傾向に入っているという事実をご存知でしょうか。

欧米では癌が減少している!

アメリカでは1992年を境に、それまで増え続けていたがんの死亡率が初めて減少に転じました。私自身、いつだったか雑誌で「アメリカでがん死が減少した」という発表を目にした時、非常に驚いたことを覚えています。

現在欧米各国ではがんによる死亡率が減少に向かっているのですが、日本だけが右眉あがりに急カーブを描いて死亡率が増えています

日本でガンが増え続ける理由

なぜ、日本では「がん死」がこれほど増えつづけているのでしょうか?その原因のひとつに、日本の急速な高齢化の影響があります。

がんは、遺伝子の傷が積み重なって起こる病気ですから、歳をとるほど、がんになる人も多いわけです。それで命を落とす人も増えてきます。人口に占める高齢者の割合が高くなれば、がんの死亡率も増えるのは当然です。

では、年齢の影響を取り除いたらどうなるか? これが問題になります。

年齢調整死亡率でみた場合のガン(アメリカ)

年齢構成を一定に調整し、高齢化の影響をのぞいて計算したものとして「年齢調整死亡率」というものがあります。

しかしこれを見ても、欧米諸国のがん死亡率は、すでに1980年代から90年代の初めにかけてピークを迎え、それ以降ハッキリと減少に転じているのがわかります。

200年以降もアメリカでは国立がん研究所(NCI)が、 1999年から2005年の間に、がんの罹患率は年間0.8%(男性1.8%、女性0.6%)ずつ減少していたと発表したばかりです。

アメリカではがんによる死亡率も、年間1.1%ずつ減少したと報告されていましたが、その後も死亡率は下がるばかりです。

年齢調整死亡率でみた場合のガン(日本)

これに対して日本では年齢調整死亡率も罹患率もほぼ横ばい。女性は壊滅状態ですが、男性は死亡率の上昇が長い間続き、90年代も後半になってようやく減少傾向が見えてきたという段階です。

日本はイタリアやフランス、イギリスなど先行して死亡率が低下している国と比較してしまうと、まだだいぶ死亡率に差があります。(悪い意味で)

癌の部位で見てみると、胃がんや子宮がんによる死亡率は低下している一方、肺がんや大腸がん、前立せんがん、乳がんなどが、死亡率を押し上げている傾向にあります。

そもそも、日本は先進諸国の中で際立って癌の少ない国でした。海外の研究者から、「なぜ、日本では乳がんが少ないのか」、「大腸がんが少ないのか」と、学会で質問を受けるほどだったそうです。

それが一体どうして日本は癌大国にまでなってしまったのでしょうか?

胃がん大国から欧米型がん大国になった日本

日本は、かつて「胃がん大国」と言われていました。

男女ともに長い間、がん死のトップを胃ガンが占めていましたが、今では胃がんのかわりに、肺がんや大腸がん、乳がん、前立腺がんなど、いわゆる「欧米型」のガンが増えています。

とくに日本人の男性では、近年「肺がん」の増加が著しく、平成五年に「胃がん」に取って代わっていますし、女性も平成十五年に「大腸がん」が「胃がん」を抜いて、死亡率の第一位を占めるにいたっています。

欧米では欧米型がんは減っているという事実

欧米型のガンというのは、もともと欧米諸国に多くみられ、日本には少ない癌だったことからそう呼んでいるのですが、その本家本元である欧米では、すでにいずれのがんにおいても、死亡率が減少しています。

「がんで命を落とす人は減りつつある」という欧米の潮流から、日本は明らかに遅れをとっているといわぎるを得ません。

これは、単に自然の流れというような現象ではなく、日本と欧米の国々との間に、がんに対する考え方・哲学の違い、さらにはそれを基礎とした国の施策や医療現場の癌への取り組みの違いがこうした結果につながっているのではないかと思われます。

中でも一番大きな違いは、「がんに関する栄養教育・食事指導」だと、考えられています。

がん患者のための栄養指導

あなたは「日本では、『食生活の欧米化』などに伴い、大腸がんや乳がんなど欧米型のがんが増えている」というフレーズを見たり、聞いたりしたことがないでしょうか?

医師ならば誰しも、他国に移住した場合、移住先の国に多い部位の癌が、だんだん増えてくることを知っています。

自国の食生活を移住先に持ち込む一世より三世、二世より三世のほうが現地の食生活により深く馴染むようになり、発症するがんの種類も現地の人と同じパターンになっていくわけです。

ハワイに住む日系移民の間でも、世代を重ねるほど、従来日本人に多いとされる胃がんが減り、乳がんや大腸がんなど欧米型のがんが増えることは有名な話です

つまり、「がん」と「食事」に強い因果関係があることは、誰もがわかっていることなのです。

ガン患者に対する食事指導がほとんどない日本

にもかかわらず、日本でがんになったとして、専門家による食事指導を受けた患者さんがどれだけいるでしょうか? ほとんどいないのではないかと思います。

医師自身が栄養医学の専門教育を受けていないために、治療の現場で、患者さんに体系的な食事指導がなされていないというのが、日本の医療の現状なのです。

一方アメリカでは、がんの患者さんに対して、ごく当たり前のこととして栄養指導がおこなわれています。

日本ではガン患者に対して必要な栄養指導が十分行われていない

これが欧米ではガン患者が減っているのに、日本では減るどころか増えている一番の原因だと言われています。

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