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がんが発生する仕組み

免疫力の高い人と免疫力の低い人

突然ですが、あなたは人間の体内でがんが発生するメカニズムをご存知ですか?

ガンの予防や治療を考えるなら、ガン発生のメカニズムは知ってなきゃ始まりませんよね。ガンはそれを治していく上で、免疫力がとても重要な鍵になってきます。

ここでは、『がん発生のプロセス』と『免疫力』について説明します。

発がんのプロセス1、イニシエーション(引き金)

ガンの芽が生まれるきっかけは、遺伝子の異変です。遺伝情報を書き込んだDNAの一部が壊れることが原因です。

このミスコピーを引き起こすのが発ガンの第1段階で、これをイニシエーションといいます。イニシエーションとは、日本語に直すと「引き金」という意味です。

ミスコピーを引き起こす物質を「イニシエーター」と呼びます。イニシエーターとして圧倒的に悪名高いのが、タバコです。

一番のイニシエーターはやっぱりタバコ!

国際がん研究機関によると、タバコが関連するガンには肺ガン以外にも、口腔ガン、食道ガン、胃ガン、肝ガン、すい臓ガン、子宮頸ガンなどがあり、タバコが原因で起こるガンは全体の30%にも上るといわれています。

咽頭ガン、喉頭ガン、尿管ガン、舌ガンの原因の第1位は喫煙です

タバコの煙には、タバコにもともと含まれている物質に加えて、これらの物質が不完全燃焼するときに発生する化合物も入っています。

喫煙すると数千種類もの化合物が生じますが、そのなかに数十種類のイニシエーターが含まれています。

受動哄煙が問題視されるのは、タバコから立ち上る煙(副流煙)には、喫煙者が吸い込む煙(主流煙)より有害物質が多く含まれているといわれ、喫煙者の周囲にいる人のイニシエーターにもなり得るからです。

タバコに含まれるイニシエーターには、よく知られる「ニコチン」「タール」の他にも「ベンゾピレン」「ベンゾアントラセン」などがあります。

タバコに関しては、喫煙年数が長く、吸う本数が多いほど、ガンになるリスクもガンによる死亡率も高くなります

日本人の喫煙者は年々減っていますが、他の先進諸国と比べると依然として高いレベルにあり、日本たばこ産業の「2010年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の喫煙率は36・6%、成人女性の喫煙率は12・1%に上ります。

喫煙はガン以外にも多くの病気を引き起こしますので、現在喫煙している人は、禁煙外来を受診するなどして、 一日も早く禁煙することを医師として強くおすすめします。

タバコの他、食べ物からガンのイニシエーターを摂取する可能性もあります。

普通の食べ物がイニシエーターになることも

これまでビスタチオやナッツから、「アフラトキシン」という毒素が検出されたことがありました。魚介類などから体内に入って蓄積される「ダイオキシン」もイニシエーターの一種です。

肉や魚などの動物性タンパク質を焼いて生じる焦げに含まれる「ヘテロサイクリックアミン」という物質も発ガン性が疑われています。ただし、これは大腸菌を使った実験結果によるもの。ほ乳類では同様の結果は出ていませんし、焼き魚をたくさん食べる地方にガンが多いという疫学的なデータも出ていません。

そうはいっても、万一を考えて焦げの摂取は控えた方が無難でしょう。

食品添加物にも注意が必要です。ハムやソーセージなどの発色剤に使われる亜硝酸ナトリウムから胃で生成される「ニトロソアミン」、加工食品に含まれる「ベンゾ(α)ピレン」、酸化防止剤の「BHA(ブテルヒドロキシアニソールと、防カビ剤の「OPP(オルトフエニルフェノールともイニシエーターとして働きます。

その他、ガンを引き起こすイニシエーター

その他にもウイルス、細菌、放射線、紫外線などもイニシエーターになります。

これらが遺伝子の異変を引き起こす際、直接的に遺伝子に働きかけるのが「活性酸素」です。活性酸素とは、体内に取り入れた酸素が変化して生じる毒性の高い物質です。

発がんのプロセス2、プロモーション

イニシエーションで生まれたガン細胞が増殖するのが、発ガンプロセスの第2段階であるプロモーションです。

日本語に直すと「促進」。プロモーションを起こす物質や要因を「プロモーター」と呼びます。

実はイニシエーターによってDNAの一部に損傷を受けただけでは、細胞はガンにはなりません。なぜならDNAには損傷した部分を修復する自然治癒力が備わっているからです。

DNAに一度傷を負った細胞がプロモーターに繰り返し晒されると、自然治癒力による修復が追いつかなくなります。

細胞の自然死(アポトーシス)の機構が働かなくなると、そこからはタガが外れたように、ガン細胞が猛烈なスピードで増殖し、9年ほどかけて、目に見えるガンに成長するわけです

プロモーターはイニシエーターと同じ場合が多い

プロモーターは、イニシエーターと重なるものが少なくありません。プロモーターの筆頭に挙げられるのも、やはリタバコです。タバコの煙に含まれる各種の化学物質はガンの増殖を促進します。活性酸素も同様です。

熱い飲食物やアルコールもガンのプロモーターになります

たとえば、食道ガンの発生率が高い奈良県や和歌山県では昔から朝食に茶がゆ(熱々)を食べる習わしがあります。そのためこの地域の食道がんの発生率の高さはこの茶がゆが関係しているのでは?と疑われています。

食道ガンが多いのは、食道の粘膜が熱い茶がゆに繰り返しさらされることで、プロモーションが起きたと考えられますのアルコールも同じく粘膜を刺激します。

脂肪も、摂りすぎるとプロモーターになります。脂肪を消化するには、肝臓が分泌する「胆汁酸」が必要です。

胆汁酸は、肝臓でコレステロールを原料につくられて胆のうに蓄えられています。

食事をすると胆のうに備蓄されていた胆汁酸が十二指腸に送られて、食事に含まれる脂肪を乳化して消化しやすいかたちに整えます。

「水とアブラ」というように、脂肪は水には溶けませんが、両者を混じりやすくして消化を促すのが胆汁酸による乳化です。

胆汁酸は消化吸収になくてはならない物質ですが、胆汁酸から生じる「胆汁酸アシルアデニレート」という物質が増えすぎると、細胞のDNAと結合して、遺伝子情報の正しいコピーを助けるタンパク質の働きを邪魔します。これは大腸ガンのプロモーションとなります。

肉類や乳製品などから脂肪を摂りすぎると胆汁酸が多くつくられてしまい、胆汁酸アシルアデニレートの増えすぎから、ガンのリスクを高めます。

ガンになる本当の理由は免疫力の低下にある

ガンの発生過程であるイニシエーションとプロモーションについて説明しましたが、実はどれだけ健康な人であっても、この2つを完璧に避けることはできません。

そのためどんな人でも体内では毎日3000~6000個を超えるガン細胞が誕生しています。

それでもガンに罹患しないのは、体内に存在する免疫細胞(白血球など)がガン細胞を攻撃し、ガン細胞が死滅させているからです。

免疫細胞は人の体内には2兆個が存在しますが、ガン細胞の攻撃にかかわる免疫細胞はごく僅かで、白血球の中に存在するキラーT細胞、NK細胞ぐらいしか存在しません。

※ちなみに、ガン細胞を攻撃する免疫細胞とは別に、風邪のウイルス、細菌を攻撃する免疫細胞というものも存在します。

いずれにしても、様々な理由で免疫細胞の働きが鈍ってしまうと、ガン細胞がどんどんと成長してしまい、ガンへとつながってしまいます。

白血球の役割

ガン細胞の発生に加齢や日々の生活スタイルが関係しているのは間違いありません。が、小さなガン細胞が腫瘍としてのガンにまで成長してしまうのは、体内の免疫が落ちているからに他なりません。

ガンは発生するまで9年かかる

ガンは正式には『ガン細胞が増殖して0.5~1cmの大きさになり肉眼で見えるようになったもの』のことを指します。

「増殖しても死なない」1個のガン細胞が細胞分裂を繰り返して、10億個ほど集まって初めてこのサイズになります。これが、いわゆる「早期ガン」です。

CTやPETといった検査機器で発見できるようになるのもこのサイズです。CTだと0.5cm、PETだと1cmくらいのサイズまで成長すると「これはガンだ」と見つけられます。

1個のガン細胞が10億個ほどに増えてガンになるまでは、平均9年かかります。

たとえば50歳の人に胃ガンが見つかったとしましょう。「毎年健康診断を受けていたのに、なぜ見つからなかったのだろう?」と思っても、それは不思議なことじゃありません。なぜならガンはあるサイズ以上にならないと発見できないからです。

あるいは、「2~3年前から胃の調子が悪かった。あの頃、ガンができたのだろう」というのも間違いで、実は9年ほど前、つまり40歳の頃にガン細胞は生まれていたのです。

アメリカは免疫力に注目してガンを減らした

現代の日本社会においてはガンは死亡要因としては最も多く、ガンを発症する人が増え続けていることは有名です。

しかし、驚くことにアメリカでは日本とは反対にガンによって亡くなる人が減り続けています。

星条旗

アメリカのガン協会の発表内容を見ると、1990年以降ガンを発症する人が減り続けていて、1990年から1995年の5年においては平均で0.7%も減少し、亡くなる人の割合も2.6%も下がっています。

がん対策が成功した要因については諸説ありますが、『東洋医学を取り入れたことで免疫力がアップしたためではないか?』と考える専門家もいるほどです。

実際、アメリカの医科大学の60%以上はこれまで行ってこなかった治療法を取り入れています。このことからもガンに負けないためには免疫力が大切であることが見て取れますし、上記の専門家の意見が正しいことを証明しているとも言えます。

今後、ガンを治していくには免疫力が鍵となる

かつての日本の病院は体に異常が起きれば症状を緩和することにしか力を入れておらず、免疫力はさして重要なものとはみなされていませんでした。

ガンに関してはこのことが非常によく当てはまっていて、「手術」「抗がん剤」「放射線治療」といった方法は体の免疫機能の衰えにつながってしまうため、病院側でも頭を抱えていたようです。

ただ、現在はガンを治すためには免疫力が重要であるという考えが広まり、免疫力重視の考えへと変わりつつあります。

そしてこのような『ガンを治すためには免疫力が重要』といった認識は、将来的には病院のみならず、患者にもこれ以上に広まっていくといった予測もあるようです。

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