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抗がん剤の副作用はキツい

様々な薬

突然ですが、「抗がん剤」と聞くとあなたは何をイメージするでしょうか?大体はこのあたり↓ではないでしょうか?

  • 副作用ばかりが強くて全然効果がない
  • 髪の毛が抜ける
  • かなり苦痛

このページでは知ってそうで意外と知られていない抗がん剤の副作用について説明します。

余談
ちなみに、広い意味での抗がん剤は現在100種類程度ありますが、その中には飲み薬もあれば注射(点滴)もあります。また、その投与期間や作用機序(仕組み)から、大きく分けると下記の二つに分類されます。

  1. 薬自体が「がん細胞」を攻撃し死滅させる能力を持った抗がん剤
  2. 「がん細胞」を攻撃して死滅させてくれる機能を補助する免疫賦活剤

このページではより有名な1の抗がん剤の副作用について説明します。

抗がん剤は副作用がキツい

普通の風邪薬などは効果に対して副作用が軽度なので、メリットとデメリットのバランスが取れています。 一方、抗がん剤はがん細胞以外の正常細胞にも悪影響を与えてしまいます。

むしろ、副作用の方が効果よりも強い抗がん剤すらあります。

患者としてはガンにだけ作用してほしいのですが、現実にはそのような薬の開発には至っていません。

そのため抗がん剤は普通の薬と同じ感覚で使用することが難しく、未だにこれを非常に嫌がる患者さんは少なくありません。

抗がん剤の副作用

抗がん剤の副作用

抗がん剤の副作用は様々で、有名な嘔吐、脱毛はもちろんのこと、それ以外にも白血球の減少、肝機能障害、腎機能障害などがありです。

薬の種類によっては副作用の種類や程度は大きく異なり、投与を受ける患者個人により差も生じます。

とある病院のお医者さんは私たち夫婦に向かって「抗がん剤の投与は副作用との闘いです」と言ったくらいです。

もちろん、副作用を予測して軽く済ませるための努力(対処療法)も同時進行で行われますが、現代の医療技術では副作用を完全にゼロにするのは未だに不可能です。

通常薬と抗がん剤の副作用の違い

一般的に「薬」とは投与量に比例して効果も出ます。そして効果を求めて投与量を増やすことで副作用も出てしまうわけです。

一般薬はこの効果に対しての副作用がでるまでの幅が非常に広いのが特徴です。規定量の数倍くらい投与しても副作用が致命的にはなることはありません。

一般薬の副作用

しかし、抗がん剤はそうではありません。

効果が出る量と副作用が出る量がほぼ同じです。一般薬が効果10、副作用2 だとすれば抗がん剤は効果10、副作用9といった具合です

抗がん剤の副作用

むしろ、場合によってはこれが逆転して効果が出る前に副作用がでてしまうモノすらあります。一般薬と違って投与量が少ない時点で副作用が先行し出始めて、投与量を増やしていく過程でようやく効果が出てくる、というわけです。

抗がん剤はこのような状況から、どうしても効果よりも副作用と向き合う必要があり、これが「抗がん剤=つらい」というイメージをもたらしています。

要チェック
しかし、この状況も次第に改善されてきています。近年は異なった複数の抗がん剤を同時使用することで副作用を分散させ、がんに対する効果を増強させる「多剤併用化学療法」が行われています。

異なった複数の薬剤を組み合わせることで、すべての副作用が軽減され、軽い副作用は「薬物有害反応防止剤」 で対処する、というものです。

これが進めば、将来的には抗がん剤も風邪薬と同じように副作用を気にすることなく付き合える日が来るかもしれませんね。

おまけ:抗がん剤の「効く」という表現の意味

ちなみに「この抗がん剤はよく効く!」と言われたとします。多くの人は「効く」=「がんが治る」 と解釈するのではないでしょうか。

元気な老人

しかし実際は少し意味が違ってきます。抗がん剤治療を進行させていく中で、検査でがんの縮小が確認されれば、素人目には「抗がん剤が効いている!」と思われるかもしれません。

しかし、がんがその後また大きくなってくることも珍しくありません。

ですが、見た目が小さくなっている以上、確かに効いたように見えるのでがん治療の世界ではこの状態を「効いた」と判断します。

例えば肺がんの効果判定を例にあげると、CT検査などで出た画像において、50%を上回る縮小が見られたら「効いた」と判定(判断)します。

一般的な風邪薬で「効いた」と判断するのは風邪が完治した場合だと言われていますが、抗がん剤については「効いた」の定義が異なり、がんの縮小=効いた ということになります(縮小率の定義はありますが)。

抗がん剤における「効く」という言葉の解釈

  1. がんは治らないが寿命が延びる(延命)
  2. がんが小さくなって苦痛が軽減される(苦痛軽減)

多くのがん患者は抗がん剤を受けることで完治して元の健康な生活を取り戻すことを夢見ています。

しかし、風邪薬とは違って抗がん剤は効果よりも副作用が目立ってしまうので、抗がん剤投与の「効いた」という言葉は、どうしてもこのような意味で使わざるを得ないのが現状です。

ここまで暗い話ばかりになってしまいまたが、抗がん剤については世界中で日夜研究が行われています。ですから、将来的には、がん細胞にだけ作用する抗がん剤 も出てくるかもしれませんね。

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