1. ホーム
  2. がんに効く食べ物
  3. ≫がんと各種食べ物の関係

がんと各種食べ物の関係

様々な食べ物

健康な生活を送るためには、様々な食品をバランス良く食べるべきですが、がんを促進する食品がんを抑制する食品 があることを理解しておくべきですよね。

がんを促進してしまう食品といえば、砂糖・精製穀物食品・加工肉、赤身肉・動物性脂肪などが有名所でしょうか。

一方、がんを抑制する食べ物としては野菜、果物、豆、全粒穀物、お茶などがよく挙げられます。これらは、免疫力や抗酸化力を高める成分やがん細胞の増殖を抑える成分が多く含まれているからです。

そのため、植物性食品が豊富な食事はがんに良くて、動物性食品が多い食事は癌に良くない、というのがガンの食事の基本です。

ただし、糖質の過剰摂取問題などもあるので、植物性食品=いくらでも食べてもOKというわけではありません。また、動物性食品について逆も然りです。

ここでは癌と様々な食品の関係性について、ザックリとまとめました。

穀物や炭水化物と癌の関係について

穀物類

穀物は炭水化物のおもな供給源です。

そもそも炭水化物とは単糖(ブドウ糖や果糖など)を成分とする有機化合物の総称で、代謝されてエネルギー源となる①糖質と、人の消化酵素で消化されない②食物繊維に分けられます。

②食物繊維は消化されないためエネルギー源にはなりませんが、腸内の乳酸菌を増やして腸内環境を良くする などの健康作用があり、食物繊維の摂取が少なければ便秘の原因にもなります

一方、①糖質は消化管内でブドウ糖などの単糖に分解された後吸収され、細胞内でブドウ糖を燃焼することによって、体を動かすエネルギー になります。

さて、がん予防において穀物は精白したものではなく精製度の低い穀物を摂取することが推奨されています。

精製度の低い穀物とは具体的には、玄米(白米を精白していない米)、ふすま(糠)を取っていない麦、全粒粉の小麦を使った食品、オートミール、アワ、ヒエなどのことです。これらは、「全粒穀物」とも呼ばれます。

精製度の低い玄米などがガンに良い理由

ガンには白米より玄米の方がいい

どうして精製度の低い穀物が推奨されているのか? 理由は2つあります。

1つは、精白するとビタミンやミネラルや食物繊維が失われるためです。ビタミンとミネラルは、体を正常に働かせるのに必要で、不足すると回復力や治癒力が低下します。また、食物繊維は発がん物質の排出を促進し、腸内の乳酸菌を増やして免疫力を高める効果があります。

そしてもう1つは、精製度の高い糖質を摂取すると、インスリンの分泌を高める作用が強くなるためです。インスリンは癌細胞の増殖を促進してしまいます。

実際、多くの研究で全粒穀物ががんの発生や再発予防に有効であることが示されており、例えば、大腸がんのリスクを下げることが明らかになっています。

また、全粒穀物は癌だけでなく生活習慣病(糖尿病や心臓病)のリスクを下げることも今では明らかになっています。

さらに、玄米などの全粒穀物は食物繊維が多い ため消化吸収が遅く、長時間にわたって空腹感を避けることができるため、がん予防の基本である標準体重の維持にも役立ちます。

ただし、逆に言えば玄米は白米よりも消化が悪いということなので(白米を精米するおもな目的は「米の消化吸収を助ける」ことと「味を良くする」ことです)、胃腸が極端に弱って食欲がない人などは玄米食が適さないケースもあります。

野菜や果物と癌

緑黄色野菜

植物によって産生される様々な薬効成分を「ファイトケミカル」または「フイトケミカル」と言います。

ファイトケミカルは、野菜や果物などの植物が持つ化学成分で、活性酸素の害を軽減する抗酸化物質、免疫細胞を活性化する成分、発がん物質を無毒化する成分、がん細胞の発生や進展の抑制に働く成分などが多数見つかっています。

トマトやベリー類など、濃い色の野菜や果物には、抗酸化作用や抗がん作用を持つフラボノイドカロテンが豊富です。

ある疫学研究では、野菜や果物の摂取量が多い人は少ない人より、がんの再発率が低かったり、がんになっても生存期間が長かった ことが明らかになっています。

また、トマトをよく食べている人は前立腺がんになってもその後の生存期間が長かったという調査もあります。

次に、キャベツ、ブロッコリー、ケール、カリフラワーなどのアブラナ科野菜には、抗酸化力や体内の解毒酵素の働きを高める成分や、ガン細胞の増殖を抑える成分が多く含まれています。

実際、卵巣がんの研究では、アブラナ科の野菜の摂取量が多い人ほど生存期間が長かったというデータもあり、これは卵巣がんだけでなく他のがんでも抗がん作用が期待できます。

こうした抗がん成分は、野菜の細胞を壊すことで吸収しやすくなるので、生で食べる時は良く噛むことが大切 です。また、野菜ジュースとして摂取するのも効果的です。

ちなみに、ブロッコリーの新芽(スプラウト)には、抗がん成分が特に多く含まれていることが知られています。

この他にも高い抗がん作用のある野菜としては、ニンニクやその親戚(ニラ、ネギ、ラッキョウ、アサツキなど)あたりが挙げられます。

これらの野菜にどれも豊富なイオウ化合物を含んでいることで有名です。イオウ化合物には、発がん物質を不活性化する酵素 が含まれているだけでなく、解毒作用を促進する作用 があり、更にがん細胞の増殖を抑制し、細胞死(アポトーシス)を誘導 までするといった調査結果もあります。

ただし、これらの野菜は胃腸粘膜を刺激するので、無理してまで大量摂取することは勧められません。

さて、このように野菜や果物も種類によって成分が異なりますが、特定の食品ばかりを多く食べるのではなく、多くの種類を組み合わせて食べることが重要です。

なぜなら、総量が同じでも、1種類の抗がん成分よりも複数の抗がん成分を組み合わせたほうが、抗がん作用が高くなることが、多くの実験で明らかになっているからです

作用機序の異なる成分を組み合わせる=相乗効果が得られる、というわけです。

大豆と癌の関係

大豆

豆類は、マメ科植物の種子として植物が成長するために必要な栄養素を蓄えているので、きわめて栄養が豊富です。

昆虫・野鳥といった外敵に食い荒らされないよう、渋み成分や苦み成分を含んでいて、この成分が抗菌・抗がん作用を期待できる場合もあります。

よって、豆類の摂取は栄養としてだけでなく、感染症やがんの予防、また、がん細胞の増殖抑制効果 が期待できます。

豆類の中でも、大豆は糖質が比較的少なく、抗がん作用を持つ成分を多く含みます。

他の豆類は、糖質が約40~50%、タンパク質が約20~25%程度であるのに対し、大豆は糖質が約11%、タンパク質が約35%と低糖質かつ高タンパクなのが特徴です。

また、大豆タンパク質は「アミノ酸スコア」が100で、肉や魚や乳製品に匹敵する良質のタンパク質源です。

このアミノ酸スコアとは、9種類の必須アミノ酸(※人体内で合成できないので食品から摂取しないといけないアミノ酸)の含有量バランスを点数化して食品中のタンパク質の品質を評価する指数のことで、100が満点です。

必須アミノ酸のうち、どれか1つでも足りなければ、その少ないアミノ酸量に応じたタンパク質しかできません。

つまり、アミノ酸スコアが100というのは、すべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいることを意味します。

そんな大豆は、健康増進やがん予防に有効な成分を多く含むことでも知られ、豆腐や納豆などの大豆製品を豊富に摂取する人たちには、がんの発生が少ないことが科学的に証明されています。

例えば、今や有名になったイソフラボンという成分は、女性ホルモンの作用に影響して、乳がんや前立腺がんを防ぐ効果が報告されています。

さらに、がん細胞に養分を与える腫瘍血管が育たないようにしてがん細胞の増殖を抑える働きや抗酸化作用などもあるため、がんの再発予防にも大きな効果が期待できます。

加えて、イソフラボンには、骨からカルシウムの溶出を抑えて骨粗しょう症を予防する効果、コレステロールを下げる効果、高血圧予防効果、さらにはアルツハイマー病の予防・改善効果もあります。

このイソフラボン以外にも、大豆にはフィチン酸、プロテアーゼインヒビター、サポエン、フィトステロールなどといった成分が含まれ、これらにもがん予防効果が報告されています。

こうした成分の総合的な効果が、がんの予防や治療に役立っているようです。

大豆のがんへの効果は科学的に証明されている

大豆のガンへの効果の一例として、大豆の摂取量が多いほど胃がんによる死のリスクが低いことが、研究の結果で明らかになっています。この研究は、1992年に食品の摂取状況を調べ、その後、7年間の死亡者数と死因を調査するというものでした。

その結果、男女とも大豆をよく食べる人は、あまり食べない人に比べ、胃がんで死亡するリスクが約半分に低下していました。

加えて、大豆製品の摂取量が多いと、がん治療後の予後(生存期間)が良好であるという報告もあります。

例えば、胃がんの手術後の食生活と生存率の関連を調べた調査では豆腐を週に3回以上食べている人は、再発を含めたがん死のリスクが2/3まで減ることが分かっています。

このように、大豆製品を豊富に摂取すれば、がん治療後の生存期間を延ばす効果が期待できます。

なお、アジア人には悪性度の高い前立腺がんが少ないことが知られていますが、その理由の1つとして大豆製品が挙げられています。

きのこと癌の関係

様々なきのこ類

日常的に食品としてきのこ類を摂取することは、がんの予防・治療に有用です。

なぜなら、きのこ類に含まれるβ‐グルカンという多糖体は、免疫を担当するマクロファージやリンパ球を刺激し、免疫力を高めるからです

免疫力を高めれば、がんが体に残っている場合もがん細胞の増殖を抑えることができるため、がんの再発や転移の予防においても効果的です。

β‐グルカンは、特にサルノコシカヶ科の仲間に多く含まれますが、サルノコシカヶ科のきのこはとても硬く、味も苦いので食用には使えず、霊芝(サルノコシカヶ科のマンネンタケの一種)のように、生薬として漢方薬に使用されています。

しかし、サルノコシカケ科の中でもマイタケは例外で、ご存じの通り、柔らかく味も香りも良いので、食用として使われています。

このように、サルノコシカケ科の中で唯一食べられるきのこであるマイタケは、がん予防のための食材として期待されているのです。

また、きのこ類は糖質が少なくビタミンやミネラルや食物繊維が豊富で、体内でビタミンDになるエルゴステロールも含まれています。ビタミンDにはがん予防効果があります。

また、きのこ類と同様、ヒジキなどの海藻類も、ビタミンやミネラルや食物繊維の宝庫です

肉類や油と癌の関係

お肉

肉類などから摂取した脂肪は、代謝されてエネルギー源となり、また、分解されて生成した脂肪酸は細胞膜などに取り込まれて細胞を作る材料になります

この際、脂肪酸はそれぞれの構造や性質を保ったまま使われるため、食事から摂取する脂肪酸の種類によって細胞の性質が変わってきます。

詳しくは別ページで解説しますが、がん細胞に関して言うと、例えば、魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)や、エイコサペンタエン酸(EPA)、また、亜麻仁油や紫蘇油に含まれるα‐リノレン酸のようなω‐3系不飽和脂肪酸を多く摂取すると、がん細胞の増殖が抑えられ、抗がん剤の効果を増強して副作用を軽減する効果などが報告されています

一方、肉に含まれる飽和脂肪酸や食用油(菜種油、大豆油、紅花油、ごま油、ひまわり油、コーン油など)に多く含まれるω‐6系不飽和脂肪酸(リノール酸、ツ‐リノレン酸、アラキドン酸)を多く摂取すると、がん細胞の増殖や転移を促進するプロスタグランジンE2(PGE2)の産生が増えるため、細胞死を起こしにくくして抗がん剤治療に悪影響を与えます。

また、ω‐3系不飽和脂肪酸には、動脈硬化やアレルギーを予防する効果や、免疫系の賦活(活発化させること)や血栓の予防にも効果があることが知られています。

さらに、ω‐6系不飽和脂肪酸に対して、ω‐3系不飽和脂肪酸の摂取比率(ω‐3系/ω‐6系)が高いほど、がんや動脈硬化性疾患やアレルギー性疾患の発症リスクが低下することが明らかになっています。

乳製品・卵・魚介類と癌の関係

牛乳やチーズといった乳製品

がんの食事療法には様々な意見があり、一部では魚介類や乳製品や卵などを禁止する食事療法も行われることもあります。

その理由は、『動物性食品は植物性食品に比べて生体調節機能のある成分(ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカル)が少なく、逆に飽和脂肪酸など、がんを悪化させる成分が多いから』というものです。

しかし、魚介類や脂肪の少ない乳製品や卵は良質なタンパク質でもあるので、適量であれば食べても全然問題ありません。

むしろ、タンパク質の摂取量があまりに少ないと免疫力や回復力が低下してしまい、かえってがんの進行を促進することもあります。

また、痩せ過ぎががんや感染症の発生率を高めることも複数の疫学研究で明らかになっており、がんや感染症の予防の観点からも、体を作る良質のタンパク質の摂取は大切です。

さらに、低タンパクはがん性悪液質(栄養失調に基づく病的な全身の衰弱状態。体脂肪と筋肉の両方が失われ、体力が急速に低下する)を増悪させることが報告されています。

こうした状況に陥らないためにも、魚介類や脂肪の少ない乳製品や卵を用い、適切にタンパク質を接種することが大事ですね。

シェアをお願いします。