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がんに効く食べ物、牛乳

牛乳

子どもの身長を伸ばすという意見から、子牛が飲むものだから人間にとってよくないといった説まで様々ある牛乳。

そんな牛乳はもちろんガンの現場でも度々挙げられる食品です。牛乳をはじめとした各種乳製品のガンへの影響は、がんの種類によって異なるので一概に良いとも悪いとも言えないのが正直なところです。

ただ、一つはっきりしていることとして、大腸がんに限っていえば牛乳や乳製品はがんの発生を予防するという報告が多数あります.

大腸がんと牛乳

大腸がんに対する牛乳や乳製品の影響は、2010年時点で多くの結果が報告されています

報告では牛乳を1日に200g飲むと大腸がんの発生リスクが0.9倍に低下し、全乳製品では1目400gの摂取でリスクが0.83倍に低下し、その発生予防効果は性別に関係なく現れたという結果になっています。

ただし、チーズでは予防効果が認められませんでした

なお、この結論は、「牛乳及び全乳製品の摂取量は結腸直腸がんの発生リスクの低下と関連している」となっています。

牛乳や乳製品が大腸がんの発生を予防するメカニズムはこうです。

牛乳中のカルシウムが二次胆汁酸やイオン化した脂肪酸(※大腸発がんを促進させる物質)と結合することで、人腸粘膜上皮細胞の発がんやがん細胞の増殖が防がれる、というわけです。

これは実際の動物実験や人間の臨床試験で、カルシウムが大腸粘膜細胞の増殖活性を低下させた事実からも明らかです。

カルシウム以外にも、乳製品に含まれる下記の成分はがんの予防効果に関係している可能性も示唆されています。

  • ラクトフェリン
  • 乳酸菌
  • ビタミンD
  • 酪酸

ただし、脂肪を多く摂取すれば、胆汁酸の分泌を増やすので二次胆汁酸が増え、ガンにはマイナスに働きます。また、チーズやクリームのようないくつかの乳製品は、大腸がんの発生を促進させるのでは?という指摘もあります。

こうしたことも含めて、「低脂肪や無脂肪の牛乳なら、大腸がんの予防効果が期待できるかもしれない」というのが多くの研究者の見解です。

ちなみに、大腸がんに悪い食べ物としては、赤身の肉や加工肉、そしてアルコールが挙げられています。飲み会が大好きなお父さんは要注意ですね。

乳がんと牛乳

乳がん患者=乳製品はNG!という言説は今も根強くありますが、その根拠は、牛乳に含まれる女性ホルモンや動物性脂肪が乳がんを悪くする可能性があるから、というものです。

これを受けて牛乳を全く飲まないようにしている乳がん患者さんも多くいます。

ところが近年の疫学研究では、乳製品が乳がんを促進することはない、あるいは、予防するという可能性さえある と言われており、現場は中々複雑なことになっています。

例えば、ある論文では100万人以上を調査して2万4000人あまりの乳がん発生を統計的に解析しました。

その結果、「乳製品」の摂取量の多い人は少ない人に比べて、乳がん発生の相対リスクが0.85倍に低下することが明らかになりました。

ただし、「牛乳」だけの摂取量に関しては明確な差は認められず、また、乳製品についても、低脂肪の製品のほうが高脂肪の製品に比べて予防効果が高い傾向が認められています。この他、閉経前の女性のほうが、閉経後の女性より乳製品による予防効果が高いという結果も得られています。

これは、閉経後は肥満が原因で乳がんになる確率が上がり、逆に閉経前では肥満が乳がんのリスクを減らすのと似た機序があるのかもしれません。

この論文の結論は、「全乳製品の摂取量が多いほど乳がん発生のリスクが低下する。ただし、牛乳だけではこのような関係は認めない」というものでした。

乳製品の乳がんへの影響は分からないことが多い

しかし実は、なぜ乳製品が乳がんを予防するのか?については、まだ科学的にはっきり分かったわけではありません。

意見として、「乳がんを予防する何らかの成分が存在する」だとか、「腸内細菌などに作用して腸内環境を良くする」といった可能性などが指摘されています。

一方、欧州の10ヶ国が参加して行われている大規模な研究データを使って、乳製品の摂取と乳がんの発生リスクの関連を解析した結果があります。こちらは牛乳や乳製品の摂取量が増えても、乳がんの発生率は増えないというものでした。

この研究は欧州10ヶ国が参加しているので国によって食事がかなり異なります。食品ごとの摂取量にバラつきがあるため、食品の種類によって発がんリスクに差があれば違いが出やすいという利点があります。

この研究では全乳製品の摂取量を少ないグループから多いグループまで5段階に分けて、発がん率の差を解析したそうです。

具体的には、全乳製品の最も摂取量が少ない下位5分の1のグループの平均摂取量はゼロで、最も多い上位5分の1のグループの平均摂取量は1日439gでした。

つまり、全く乳製品を摂取しないグループと1日400g以上も摂取しているグループを比べても、乳がんの発症率には差がないという結果だったのです。

ただし、閉経前の女性に限った場合、バターの摂取は、乳がんの発生リスクとの関連が示唆されています

バターの摂取量の多い上位1/5グループ(1日平均摂取量は2.6g)は、摂取量が少ない下位1/5(1日平均摂取量は0g)に比べ、乳がんの発生リスクが1.28倍でした。

この他、米国の黒人女性を対照にした研究でも、乳製品の摂取が、乳がんの発症リスクを高めた、といった結果は得られていません。

この研究では、米国の黒人女性5万2062人を12年間追跡調査したものです。

最終的に1268人が乳がんを発症しましたが、調査をしても牛乳の摂取量の差が乳がん発症に影響するという統計的な認められませんでした。

このように、各種研究の結果からは、乳製品の摂取は乳がん影響しないとは言い切れませんが、かといって無関係とも言い切れません。総脂肪の摂取が多いと、閉経後の乳がんの発症率を高める可能性があるので、閉経後は用心のため低脂肪か無脂肪の牛乳を飲むほうが良いかもしれません。

牛乳と前立腺がん

大腸がんや乳がんとは対照的に、前立腺がんに限っては、牛乳はガンの発生・増殖を促進する可能性が高いことが多くの研究で示されています。

例えば、米国の2万人以上の医師を対象にした研究では、1日2.5回以上の乳製品の摂取は、1日1回以下の摂取に比べて、前立腺がんの発生率が1.34倍にもなるという結果が得られています

さらに、40ヶ国で開催された『前立腺がんの発生率と乳製品の消費量の関係を調べた調査』では、牛乳の消費量が多い国は前立腺がんの患者数も多いことが分かりました。

こう書くと男性にとって牛乳は悪者に見えるかもしれません。

ところが、低脂肪の牛乳に限っていえば、むしろ多く摂取したほうがガンの進行リスクが0.62倍に低下するという結果が得られています。

一方、米国の医師2万1660人を28年間追跡した研究では、牛乳・乳製品の摂取量が多いほど、前立腺がんによる死亡率が高くなることが報告されています。

この研究では、牛乳をほとんど摂取しない人に比較して、1日1回以上(平均237ml以上)摂取する人の前立腺がんによる死亡率は、1.49倍に上昇しました。

この他、ヨーロッパで行われた、14万人あまりを平均8.7年間追跡した研究では、1日当たりの牛乳タンパク質の摂取量が35g増えると、前立腺がんの発症率が32%増えるという報告もあります。

このように、牛乳や乳製品ががんの発生などを促進する理由としては、牛乳中のタンパク質の関与が指摘されています

牛乳は身長だけでなく癌細胞も成長させてしまう?

牛乳や乳製品は、良質なタンパク質とビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれた食品です。

そのため、子供の成長や健康増進に最も役立つ食品であることは間違いありません。

しかし、がん治療の観点で見れば、「成長に役立つ」という牛乳の効果は必ずしも素晴らしいとは言えません。

なぜなら、それはがん細胞の成長にも役立ってしまう可能性があるからです。

例えば、牛乳を飲むとインスリン様成長因子‐1(IGF‐1)の産生量が増えることが、多数の臨床試験で確認されています。

牛乳を多く飲むと体格が良くなることは有名ですが、その作用機序は、牛乳のタンパク質がIGF‐1やインスリンの分泌を高めるからだと考えられています。

成長ホルモンはIGF‐1の産生を高めることによって体の成長を促進しますが、牛乳もlGF‐1を利用して成長を促進しているのです。

しかし、その一方でIGF‐1はガンの発生や進展を促進することも知られています。

IGF‐1はがん細胞の増殖を促進し、IGF-1の血中濃度が高い人はがんの予後が悪いというデータもあるので、そういう意味では、がん患者さんにとって牛乳の摂取は良くないと言えるかもしれません。

実際、人間の場合、成長過程に必要な成長因子やホルモンは、がん年齢(中年以降)になると、がんを促進する方向で作用します

例えば、男性ホルモンも女性ホルモンも、それぞれ前立腺がんや乳がんの発生を促進し、様々な成長因子や増殖因子はがん細胞の発育を促進します。

したがって、乳幼児のときには大活躍だったはずの牛乳が、がんにかかる年齢に差し掛かる中高年にとってはむしろ悪影響を及ぼす懸念すらあるわけです。

ブドウ糖負荷+乳製品はがんを促進する

ブドウ糖(糖質)の過剰摂取が、がんを促進することは上の方で既に述べましたが、実はブドウ糖と乳製品を同時に摂る組み合わせはガンの成長促進をより強めます

なぜなら、ロイシンという乳製品に多く含まれるアミノ酸とブドウ糖を同時に摂ると、mTORClという、がん細胞の増殖シグナルが大いに活性化されるからです。ブドウ糖と乳製品の組み合わせの代表例としては、以下のものが挙げられます。

  • コーンフレークとミルク
  • パンとミルク
  • ピザ
  • テーズバーガー

また、ドリアのような、ご飯+チーズの料理もありますが、こうした料理は、がんにとって悪い最悪の食べ物といえるかもしれません。

牛乳の摂りすぎはガンに良くない

ここまで述べてきたように、牛乳や乳製品は、単にエネルギーや栄養素を補給するだけでなく、体に作用して細胞増殖を促す働きがあります。

例えば、牛乳に含まれる乳清タンパク質は筋肉をつけるためのサプリメントとしての科学的に効果が裏付けされているので、運動選手などが使用しています。

ただ、やはり、インスリンやIGF‐1の血中濃度を高める作用が強い牛乳タンパク質を多量に摂取することは、理論的に考えれば、がんにはあまり良くないでしょう。

常識的な量であれば問題はありませんが、すでにがんが存在するような状況や再発リスクが高いような人は、牛乳やチーズなどの乳製品をガツガツ大量に摂るのは避けたほうが賢明です。

ただ、そうはいってもガンの治療中はタンパク質を豊富に摂取すべきです。なので、その場合は大豆、ナッツ類(クルミなど)、魚介類、卵、鳥肉(脂の少ない部分)などをお勧めします。

ちなみに、人によっては牛乳を減らすとカルシウム不足になる可能性がありますが、野菜や大豆を十分に摂取すれば、カルシウムが不足は回避できるのでご安心下さい。

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